オンライン請求・資格確認ネットワークの管理方法|トラブルを防ぐポイント

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近年、医療機関ではオンライン資格確認システムの導入が進み、マイナ保険証のオンライン確認や診療報酬請求(レセプト請求)の電子化が一般的になっています。
しかし、ネットワークの不具合やシステム障害が発生すると、保険資格確認ができず診療業務が滞る可能性があるため、適切なネットワーク管理とトラブル対策が不可欠です。

本記事では、オンライン請求・資格確認システムの仕組み、ネットワーク管理のポイント、トラブル防止策と対処法を詳しく解説します。


① オンライン資格確認システムの仕組み

オンライン資格確認とは、患者が持参するマイナンバーカードを用いて、リアルタイムで保険資格を確認できるシステムです。
従来の紙の保険証と異なり、資格喪失者の確認が即時に可能であり、医療機関側の負担軽減につながります。

詳しくは厚生労働省の公式サイトをご覧ください。
オンライン資格確認制度の概要(厚生労働省)

② オンライン請求(レセプト請求)の仕組み

レセプト(診療報酬請求)を電子化し、オンラインで保険者に送信する仕組みです。
紙レセプトに比べ、請求業務の効率化や不備修正の迅速化が可能になります。

詳しくは社会保険診療報酬支払基金の公式サイトをご覧ください。
オンライン請求システム(社会保険診療報酬支払基金)

システム名機能導入機関
オンライン資格確認システムマイナンバーカードによる保険資格確認全医療機関(義務化)
オンライン請求(電子レセプト)診療報酬請求をオンライン化診療所・病院

オンライン資格確認や請求システムを安定して運用するためには、適切なネットワーク環境を整備することが重要です。

① 推奨されるネットワーク環境

  • 専用回線(VPN・閉域網)の導入
    • 公衆回線よりも安定し、セキュリティ性が高い
  • バックアップ回線の確保
    • メイン回線が障害を起こした際に、即座に切り替え可能
  • 業務用Wi-Fiと一般Wi-Fiを分離
    • 診療データと患者向けネットワークを完全に分離し、セキュリティを強化

オンライン請求・資格確認システムを運用する中で、発生しやすいトラブルとその対策を紹介します。

① ネットワーク障害によるシステム停止

発生例:

  • ルーターや回線の不具合により、オンライン資格確認ができない
  • ネットワーク遅延により、請求処理が正常に完了しない

対策:

  • 予備回線(モバイル回線・サブ回線)を準備
  • ネットワーク機器の定期点検を実施
  • トラブル発生時の切り替えマニュアルを作成

② オンライン資格確認端末のトラブル

発生例:

  • 端末がエラーを起こし、患者の保険資格確認ができない
  • ICカードリーダーが反応しない

対策:

  • 端末の再起動、接続設定の確認
  • 定期的なソフトウェアアップデートを実施
  • 別の認証手段(紙の保険証)を一時的に使用できるように準備

③ サーバー障害・クラウドシステムの不具合

発生例:

  • オンライン請求システムのサーバーがダウンし、請求が遅れる
  • クラウドベースのシステムにアクセスできない

対策:

  • サーバー状況をリアルタイムで確認できるツールを導入
  • クラウド型とローカル保存の併用でデータの保全を確保

① 障害発生時の対応フローを整備

トラブルが発生した際の対応手順を事前に決めておくことで、迅速に復旧が可能です。

対応フローの例

  1. ネットワーク機器の再起動・接続状況の確認
  2. 障害の種類を特定(回線・端末・サーバー)
  3. 予備回線への切り替え
  4. サポートセンターへの連絡
  5. 一時的な代替手段(紙保険証での確認・請求処理の保留)を実施

② 定期的なネットワーク診断

  • 通信速度のチェック(診療時間前に確認)
  • ファームウェア・セキュリティソフトの更新
  • 業務用Wi-Fiの通信状態のモニタリング

③ ITサポートの外部委託

医療機関では、IT担当者が常駐していないケースが多いため、
専門のネットワーク管理サービスを利用することで、トラブル時の対応を迅速化できます。

メディカルSEのサポートサービス

サービス内容詳細
ネットワーク環境の設計・構築オンライン請求・資格確認に最適な環境を提供
Wi-Fi環境の最適化診療業務と患者向けネットワークを分離し、安全性を向上
トラブル対応・ヘルプデスクネットワーク障害やITトラブルに迅速対応
セキュリティ対策VPN・ファイアウォール・アクセス制御を強化

オンライン請求・資格確認システムの安定運用には、適切なネットワーク管理と障害対応が不可欠です。

  1. ネットワーク環境を最適化し、バックアップ回線を確保する
  2. 端末・クラウドの障害対策を整え、トラブル時の対応マニュアルを用意する
  3. 定期的なネットワーク診断とセキュリティ更新を実施する
  4. IT管理を専門業者に委託し、運用の安定性を高める

メディカルSEでは、医療機関向けのネットワーク管理やオンライン請求システムの運用サポートを提供しています。
システム運用に課題を感じている方は、ぜひご相談ください。



医療法人での業務改善で得た深い知見を基に、「⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠メディレクター」を開発しました。
実際の現場で課題に直接対峙し、それに基づいた解決策を提供することに専念しています。
常に現場目線で考え、テクノロジーと実務サポートを融合させて医療業務の最適化と運営の最大化を支援します。

庄司 陽

株式会社Optiru 代表取締役社長


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